破産申立て Q&A

破産申立てに関するよくあるご質問内容について

Q 破産申立をすると、「残せない物であると判断された個人所有物」は差押さえや無理やり没収されるようなことになりますか?

差押などの強制執行を受けることはありませんので安心してください。高価品等「残せない物」に関しては、基本的に破産管財人により換価されることになりますが、その場合でも無理やり没収されるようなことはありません。原則として、適正な評価額等について協議した上で手続を進めていくことになります。

Q 会社が破産した後でも従業員がノウハウをいかして仕事をしたい。会社名義となっている自動車やパソコンを残すことは可能ですか?

会社の財産は、すべて換価対象となります。しかしながら、適正価格であれば、処分することも可能です。破産者本人ではなく、元従業員の方などが適正価格で購入することは可能です。

Q 個人的に所有している株券の合計評価額が150万円相当に価するのですが、株を売却しなければなりませんか?

実際に150万円の価値があるのであれば、換価の対象となります。ただし、株式の場合、評価額が本当に150万円かどうかが問題となります。証券取引所に上場しているような株式であれば、相場がありますのですぐに評価できますがが、そうでない株式については一義的に評価できないことが通常です。例えば、株式譲渡制限のある会社の株式では、換金困難なこともありえます。

Q 弁護士に相談する前に、破産申立の前に個人名義で所有している車や家を配偶者や親族の名義に変更すれば、なんとか財産を失わずに済みますでしょうか?

結果として失う可能性が高いばかりか、破産手続自体が円滑にいかない可能性もあるので、このようなことは絶対にやめてください。

破産直前に財産を減少させる行為は債権者を害するものであり、否認権行使の対象ともなります。

Q 個人の通帳には5万円しかありません。破産後には生命保険を解約して解約返戻金150万円を頼りに生活しようと思いますが、 破産時は、生命保険の解約は必須になりますか?

必須ではありません。解約返戻金の額にもよります。
破産の際に確保できる財産は、原則として99万円までです。それを超える財産は、破産財団(債権者に対する配当財源)に組み入れられることになります。
解約返戻金が150万円の保険に関しては、残念ながら解約の上、破産財団に組み入れられることになるのが原則です。しかしながら、破産申立に先立ち解約し、返戻金を日々の生活費や破産予納金、相当な弁護士費用に充当することは、「有用の資」として支出が認められる可能性があります。詳しくは弁護士にご相談ください。

Q 個人名義で賃貸マンションを借りて家族で生活をしていますが、家を出なければなりませんか?

直ちに家を出る必要はありません。基本的に家賃を支払っていれば居住し続けることは可能です。ただし、身の丈以上の家賃を要する住居に住んでいるような場合は、収支を見直すためにも、退去することを考える必要があるかもしれません。

Q 車を個人名義で所有していますが、現在の中古車市場価値は平均で100?120万円ぐらいの車です。住んでいる場所が車の必要な地域で所有できないとなる場合、今までの生活に支障が出てしまい困るのですが、それでも残せないのでしょうか?

破産に際して残せる財産は、原則として合計99万円までとなります。自動車も残せる財産に含まれますが、この制約が及んでしまいます。自動車が必須であれば、低廉な中古車を購入するという方法も考えられますが、破産に際して財産を費消させてしまう行為は後々問題になることも多いので、専門家である弁護士にご相談ください。

Q 今から半年前に個人名義で購入した40万円のデスクトップパソコンですが、現在市場価値は20万ぐらいです。破産後の仕事に必要なのですが、手持ちの現金や預金を含めると99万円を少し超えてしまう恐れがあります。その場合、弁護士に相談する前に自分で99万円未満になるように調整すれば良いでしょうか?

素人判断は大変危険です。破産に際して財産を費消させてしまう行為は後々問題になることも多いので、専門家である弁護士にご相談ください。

Q 先代が使っていたロレックスに思い入れがありますが、何かしらの理由があれば残せますか?

困難と思われます。ロレックスなどのブランド品は、市場において一定の価値を有しております。また、時計については「残せる物」の対象外であることから、換価対象となることが多いと考えられます。

Q 同居親族が先代から受け継いでいる土地を所有していますが、破産申立は、私の配偶者や同居親族の財産も対象になりますか?

対象にはなりません。あくまで申立をする本人の財産のみが換価対象となります。

Q 私がつけている結婚指輪はプラチナで出来ています。妻も同じものをつけていますが、合計が99万円を超す場合は、 残せないものであると判断されますか?

奥様の指輪はあくまで奥様の所有物ですので、換価対象とはなりません。あくまであなたの指輪の価値のみが問題となります。ただし、通常指輪に用いられている金属は少量ですので、財産的価値はないと判断されることが殆どと思われます。

Q 破産とは、何もかもを失うという事では無いのですね?

違います。あくまで経済的再生のための手段の一つです。

破産に関しての不明点や迷うこと、ご不安はまず私に一度ご相談ください

何事についても素人判断は禁物です。事件はすべて生き物であり、その適否を判断するためには非常に高度な法的知識と実務経験が必要となります。

疑問があれば法律専門家である弁護士にお尋ねください。

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